大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成6年(行ケ)253号 判決 1997年1月16日

愛知県東海市大田町下浜田27番地

原告

大内卯之吉

東京都千代田区霞が関3丁目4番3号

被告

特許庁長官

荒井寿光

同指定代理人

石田惟久

幸長保次郎

吉野日出夫

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第1  当事者の求めた裁判

1  原告

(1)  特許庁が平成4年審判第20238号事件について平成6年9月8日にした審決を取り消す。

(2)  訴訟費用は被告の負担とする。

2  被告

主文同旨

第2  請求の原因

1  特許庁における手続の経緯

原告は、昭和61年9月20日、特許庁に対し、名称を「連動機構」とする発明(以下「本願発明」という。)について特許出願(昭和61年特許願第222472号)をしたが、平成4年9月8日、拒絶査定を受けたため、同年10月26日、審判を請求したところ、特許庁は、この請求を平成4年審判第20238号事件として審理し、平成6年9月8日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、その謄本は、同年10月13日、原告に対し送達された。

2  本願発明の特許請求の範囲

水平軸をもって回転している車輪の、直交十字形をなす4本のアームの上に、1個ずつのせられている重錘の重量を、車輪のアームに平行な方向の分力とアームに直角な方向の分力とに分解し、水平軸の左右において、アームに平行な分力同士としては常に釣り合い状態を保ち、アームに直角な分力同士としては常に右側優勢の不釣り合い状態を保たせるという、極めて新奇な機構学的連動を行わせるために、上記車輪と同期回転を行いながら、同時に垂直中心線に対する揺動運動をも繰り返す球体を装備したことを特徴とする連動機構装置(別紙図面(1)参照)

3  審決の理由の要点

(1)  本願発明の特許請求の範囲は前項に記載のとおりでる。

(2)  本願発明については、審判手続において、請求人(原告)に対し、明細書及び図面の記載が不備であったため、特許法36条3項及び4項に規定する要件を満たしていないとして、平成6年1月10日付けをもって、拒絶理由の通知がなされたが、これに対し、請求人(原告)は、同年4月1日付け手続補正書により明細書の補正をなすとともに、意見書を提出した。

(3)  しかしながら、上記のとおり補正された明細書及び願書に添付された図面を精査しても、本願発明は、以下の各点において依然として不明である。

ア 本願明細書及び図面の記載においては、1対の重錘の重量を2対に分解して、その1対の釣合い状態と、他の1対の不釣合い状態とを並行して保たせていく連動機構の具体的構造及びかかる連動機構の実現可能性が、力学的にみてまったく不明である。

イ 特許請求の範囲に記載された、「車輪のアームに平行な方向の分力とアームに直角な方向の分力とに分解し、水平軸の左右において、アームに平行な分力同士としては常に釣り合い状態を保ち、アームに直角な分力同士としては常に右側優勢の不釣り合い状態を保たせるという、極めて新奇な機構学的連動を行わせる」とした構成が、本願明細書の発明の詳細な説明の項及び図面、実施例の記載に何ら裏付けられておらず、対応関係が不明である。

ウ 上記の不釣合い状態を保たせるために、重錘を操縦して、次々と「おもだか軌跡」に沿って進ませるとする点及び「おもだか軌跡」の定義が不明である。

「重錘車輪」及び「天秤球体」と明細書で定義されたものの具体的な構成、作用が不明である。

「作動の阻害要因の根源には…(略)…重大なパラドックスなのである。」との作用を説明する記載は、請求人(原告)の意見を参酌しても、自然法則に照らし理解できない。

エ 連動機構の全体図、重錘車輪と天秤球体との連結関係を示す図面、その他の図面相互の関係について、適正な補正がなされておらず、まったく不明である。

以上によれば、本願明細書及び図面において、当業者が容易に実施できる程度に発明が開示されているものとは、到底認められない。

(4)  したがって、本出願は、特許法36条3項及び4項により、拒絶すべきものである。

4  審決を取り消すべき事由

審決の理由の要点(1)、(2)は認める。

同(3)、(4)は争う。

審決は、本願発明の内容が、本願明細書の記載から明瞭であるにもかかわらず、誤って、これを不明としたものであるから、違法として取り消されるべきである。

(1)  本願明細書においては、当業者が本願発明を容易にに実施することができる程度に、その目的、構成、効果が明確に開示されているものであり、そのことは、本願明細書の記載自体から明らかである。

したがって、本願明細書が、特許法36条3項及び4項の要件を満たしていないとみなすべき余地はない。

(2)  これを、審決において不明であるとされた、本願発明における、「重錘車輪と天秤球体とが連動して、回転する重錘車輪上の重錘に「おもだか軌跡」を描かせる」こと及びその際、「重錘車輪の左右における重錘重量の、半径方向の分力同士の釣合い状態と、円周方向の分力同士の不釣合い状態とが、並行的に成立する」ことについてみるならば、それらに関する本願明細書中の記載は、以下のアないしクのとおりであり、その内容は明らかである。

なお、別紙図面(1)第7図(1)において鎖線で示す2つの矩形ループ、O M’M”O’Oと、O C’C”O’Oは、同第6図(1)のL字形ループ11→12→22→21→11を模式的に示したものである。すなわち、同第7図(1)の矩形ループ上の重錘車輪左側のOM’と右側のOC’は、同一車輪上にあって回転を共にしており、また、左側のO’M”と右側のO’C”は、同第6図(1)のL字形ループ上にあって回転を共にしている。一方、重錘車輪の軸Oは固定しており、天秤球体の軸O’は揺動しているものであって、両者は、結合していないが、同第5図(1)に示す7→31→32→33→29→30の連結状態にあり、完全な同期回転を行っている。このように、同第6図(1)のL字形ループと同第7図(1)の矩形ループとは、まったく同一の実体であり、当然、同第8図(1)の重錘M、C、F、Jは、固い連動関係に結ばれているものである。

ア 「それぞれの重錘はその腹背に結びつけられた吊りひもによって、車輪の半径方向に引き動かされるのであるが、吊りひもはそれぞれの重錘から出て重錘に戻る環状回路を形成し、途中の1点において、車軸に向き合って設置された1つの球体につなぎ止められている。つまり、球体の外周を4等分する位置につなぎ止められた4本の吊りひもが、球体の中心点を支点とする2対の天秤釣り合いを保ちながら、常に球体を引っ張り合っているのである。」(本願明細書3頁14行ないし4頁3行)

イ 「第5図(1)は、重錘車輪1と天秤球体2との連結関係を示す正面図(上半分省略)、第6図(1)はその平面図(奥半分省略)である。先ず第6図(1)の、重錘車輪の水平軸7と天秤球体の水平軸30との対応関係を述べれば、水平軸7は一定の位置を動かずに回転するが、水平軸30は、O’点を中心とする紙面に平行な振り子運動、すなわち揺動を行いながら回転する。すると、アーム26、球面板27、交叉弓づる45、46、滑り弓23も紙面に平行左右方向に揺動し、図の太線の吊りひも13、14は、その環状回路にそって重錘10を往復揺動させる。これらの揺動はこの図の静止した平面上で行なわれるわけではなく、もちろん回転に従って揺動していくものである。」(同14頁1行ないし14行)

ウ 「回転と揺動との関係は、第5図(1)の揺動規制箱5によって規制されている。それは逆転歯車または電子制御の仕組みを内蔵していて、重錘車輪1の定方向1回の回転を、揺動軸29の往復4回の揺動に変換するものなのである。ただしそれは揺動を規制するだけで、揺動の「駆動力」は、重錘車輪1から第4図(2)の滑り弓23を介して、第5図(1)の太線のように伝えられる「回転力」とは別途に、ばあいによっては揺動規制箱の前軸32または後軸33のあたりへ、外部から供給される必要があるわけである。」(同14頁14行ないし15頁4行)

エ 「第8図(1)の右上象限の重錘Cと結びつくのが、円弧カムの上片41(注・第6図(2))であり、右下象限の重錘Fと結びつくのが、円弧カムの下片42なのである。そのこと(注・上片と下片の切り換えの意)は第6図(2)の滑り弓23が、水平大円37(第5図(2))を通過する瞬間に、円弧カム41または42との結びつきを素速く交替することによって達せられる。円弧カムというのは横X字形の一対のピン列で、上片41と下片42とが、球面板27の表面への突出と裏面への沈下とを、素速くばね仕掛けで、交替するようになっているものなのである。」(同17頁1行ないし10行)

オ 「第7図(1)は、前図に示した重錘車輪1と天秤球体2との連結機能を、模式的なリンク機構図の形で示した斜視図である(下半分省略)。円周O、O’(斜視図なので長円に見える)の前者は、重錘車輪の外周を表わし、後者は天秤球体の正中大円35を表わしているが、両者とも空間上常に不動の位置に懸っている。そして重錘C、Mを結びつけているのは吊りひも131、141が形作る環状回路C C’C”O’Oと、吊りひも131、141が形作る環状回路M M’M”O’Oとの関係なのである。ここにO円周上のC’とO’円周上のC”、および、O円周上のM’とO’円周上のM”は、それぞれ同一の回転角上にあって、矩形(斜視図では平行4辺形に見える)C’C”O’OとM’M”O’Oとは、あたかも一体に固結した剛体のような形を保ちながら、中心線OO’を軸として回転していく。けれども矩形の各辺は剛体ではない吊りひもなので、O’球の揺動(注・第1図(3)の下方の←→、第6図(1)の27の→←)に従って、それぞれひも自身の長手方向に移動しながら、正中大円35の上の2定点C”、M”(注・第5図(2)の正中大円35の上の第7図(1)に示す2交点C”、M”)によって相結ばれた重錘C、Mを引き動かしていくものなのである。」(同17頁11行ないし18頁10行)

カ 「第7図(2)は、図(1)の重錘C、Mについて、その重量を2方向に分解して示したべクトル図である。重錘車輪の回転円面上において、右上象限にある重錘Cの重量Wは、半径方向分力CR、と円周方向分力CCに分解され、左上象限にある重錘Mの重量Wは、半径方向分力MRと円周方向分力MCに分解されるが、この半径方向分力CR、MRの大きさは次の式によって与えられる。

CR=W cosA、 MR=W sinA <1>

このCR、MRは重錘C、Mが半径C’O、M’Oの方向に滑り降りようとする力であり、実際にそれぞれの大きさの力が図(1)(注・第7図(1))のように吊りひも141、144(注・第6図(1)参照)にかかる張力となって、点C”、M”(注・C”もM”も天秤球体の正中大円35(第5図(2))上の1点)をC”C’、M”M’(注・第7図(1)参照)の方向に引っぱり合っているのである。この二つの張力は鉛直中心線V’O’に対してどのような「力のモーメント」(回転力)を及ぼすか。V’O’に対してC”、M”から下ろした垂線の足をX、Yとすれば、

C”X=R sinA、 M”Y=R cosA <2>であることは明らかであるから、V’O’に対する力のモーメントは等式<1>と<2>を掛け合わせて、

CR×C”X=W cosA×R sinA

MR×M”Y=W sinA×R cosA

となり、まさに次の等式

CR×C”X=MR×M”Y <3>

が成立する。すなわち、この式の両辺は円板O’を実際にV’O’の左右から引っぱり合い、そして釣り合っている1対の力のモーメントなのである。重錘CとMは、このような完全釣り合いを保ちながら、常に動径伸縮を償い合うことができるのである。」(18頁11行ないし20頁2行)

キ 「一方、第7図(2)の円周方向分力CC、MCは次の式で与えられる。

CC=W sinA、 MC=W cosAこのCC、MCはそれぞれ動径CO、MOに直角に作用して、中心Oに対して右まわりと左まわりに、次のような力のモーメントを及ぼし合っている。

CC×CO=W sinA×CO

MC×MO=W cosA×MO

ただしこのW sinAとW cosAは、0度から90度への回転に伴って、前者は数値の0から1へ、後者は1から0へと、互いに逆の推移をたどるが、90度間の総和としては互いに全く同じ大きさのものである。よって、この90度間の総和を(S)で表わせば、

CC×CO=(S)×CO

MC×MO=(S)×MO

となる。従って、もしこの左右の動径の間に、終始MO<CO(ただし0度と90度においてはMO=CO)となるようなあやつり操作が施されるならば、常に次の不等式

(S)×MO<(S)×CO <4>

が成立する。すなわちこの式の両辺は第7図(1)の軸OO’に対する、右まわりと左まわりの力のモーメントにおいて、右辺が左辺よりも常に優勢であることを示しているものに外ならない。なおこの場合のあやつり操作なるものは、すでに示した等式<3>の釣り合い状態と、次に述べる「おもだか軌跡」とによって、難なく成立することになる。」(同20頁3行ないし21頁12行)

ク 「第8図(1)は、重錘車輪上の重錘の軌跡を示すものである。前記不等式<4>は、図の太線で示す軌跡49にそって重錘C、F、J、Mが移行することそのものなのである。太線の形を「おもだか」の葉の形に見立てて「おもだか軌跡」と呼ぶことにする。おもだか軌跡は、重錘車輪の回転に伴う、重錘の循環経路であり、動径の伸縮経路であり、しかも本発明の連動機構の象徴ともいうべき図形なのである。第8図(2)は、補足的に、天秤球体上における軌跡48を示している。これは図(1)を天秤球体2の側面に投射して、それを球体の正面から見た形ともいうことができる。つまり図(2)の矢印の(+)、(-)の長さ、すなわち揺動大円36の振れ幅(8の字形の実線部分は球の前面、鎖線部分は球の背面)は、図(1)の矢印の(+)、(-)の長さと常に等しいものなのである。

さて続いてこのおもだか軌跡が、等式<3>の釣り合い状態と不等式<4>の不釣り合い状態との「連繋関係」を、全面的に保証していることを確かめてみよう。おもだか軌跡49は第8図(1)に見るとおり、三つの同心円(半径Re、Rm、Ri、ただしRe-Rm=Rm-Ri)の間に、きちんとはめこまれた図形として、きわ立った三つの特徴を示している。第1の特徴は、水平線OHを境として明らかに、上下対称の形になっていることであり、第2の特徴は、鉛直中心線OVを境として明らかに、左右非対称の形となっていることであり、第3の特徴は、中円周Rmから外向けと内向けの動径の伸縮が、鉛直中心線OVを中心として、明らかに左右対称の形となっていることである。

第1の特徴によって、すでに説明した等式<3>の成立は、おもだか軌跡49の右上象限と左上象限との間ばかりでなく、右下象限と左下象限との間においても、全く同様に成立することが明らかである。また第2、第3の特徴によって、すでに説明した不等式<4>の成立が、右上象限と左上象限との間ばかりでなく、右下象限と左下象限との間においても、常に右側優勢に成立することが明らかである。そのうえこの三つの特徴によって、おもだか軌跡上の重錘の移行が、右上、左上、右下、左下の4象限ともしっかりと手をつないで、互いに伸縮の償い合いを果たしていることが明らかである。おもだか軌跡が等式<1>と不等式<4>との連繋関係を、全面的に保証していることは、これで十分確かめられたわけである。」(同21頁13行ないし23頁17行)

(3)  被告は、本願発明について、別紙図面(2)記載のⅢ、Ⅳの状態にある重錘をⅠ、Ⅱの状態にするためには、所定のエネルギーを供給しなげればならないはずであるから、それを考慮しない以上、本願発明の重錘の作動は、実際には起こりえないものであると主張する。

しかしながら、被告の上記主張は、同図における重錘CとJが同等関係にあると固執したことに誤りがある。

すなわち、同図において重要な事柄は、ⅠとⅢ、ⅡとⅣにおける、力CとJ、FとMの「平凡な」180度の対抗による同等関係(別紙図面(1)第7図(1)に示すO面における関係)よりも、ⅠとⅣ、ⅡとⅢにおける力のモーメントの「非凡な」90度の対抗による同等関係(別紙図面(1)第7図(1)に示すO’円に直角な力による、軸O’V’に対する力のモーメントの関係)の方である。

だからこそ、本願発明において、重力に逆らう力を少しも必要としない重錘の昇降運動が成立するはずなのである。

とはいえ、地上重力の場の中では、摩擦その他の抵抗が大きいため、その運動が成立しない。そして、そのことは、本願明細書において、「駆動力が外部から供給される必要があることも、すでに(15頁)見たとおりである。」(28頁13行ないし15行)、「作動の発現を阻害する要因がどこの部分にわだかまっているのかを、得心のいくまで手で動かし頭で問い詰めるための供試体」(33頁8行ないし11行)と記載されているとおり、原告が、初めからはっきりと断っている事柄であって、起こりえないことを主張しているものではない。

上記において、原告が「非凡な」と形容したのは、3次元空間そのものの特徴として、三角関数公式が明らかにしているとおり、sin又はcosが、隣の象限へと、紙面上又は奥行方向に90度転倒するごとに、それぞれcos又はsinに転換するという新奇な機構を、幸運にも、原告が見つけ出したということである。

すなわち、別紙図面(1)第7図(1)記載のO円における、OO’軸に対する回転角Aについてのsin A又はcos Aは、O’円におけるO’V’軸に対する回転角Aについてのcos A又はsin Aへと忽ちにして転換する。すなわち、sin Aとcos Aとの対抗関係が、忽然としてsin Aとcos Aとの掛け合わせを経て、完全な釣合い状態へと転換を遂げるのである。

これが等式<3>と不等式<4>の並行成立の必然性であったものであり、当無、外からの力をほとんど借りることなく、不等式<4>の回転力が発現するはずである。しかも、この操作は、「適切な電気的変換操作(たとえばサーボモーター)などを介入させることによって」(同31頁14行ないし15行)、重錘車輪上、左右の(+)(-)の投入された外力をほとんど目減りなく取り戻す((+)(-)の償い合いを果たす)ことができるはずである。

とはいうものの、不等式<4>による回転力は、地上重力の場の中では、なかなか発現できない事情に取り囲まれている。本願発明の装置は、その実体を根気よく手で動かしてみることによって、回転力の発現できない事情をとことんまで問い詰めていこうとするものなのである。

煎じ詰めれば、最も肝心なことは、等式<3>と不等式<4>とが完全な連動関係に結ばれていることであり、このことは、本願明細書の記載において十分に開示されていることであって、当業者においては、本願明細書の記載から本願発明を十分に理解することが可能である。

第3  請求の原因の認否及び被告の反論

1  請求の原因1ないし3の各事実は認める。

同4は争う。

審決の認定、判断は正当であり、審決に原告主張の違法はない。

2  取消事由についての被告の反論

(1)  本願明細書17頁1行ないし21頁12行の記載について(請求の原因4(2)エないしキ)

本願明細書中の上記記載においては、本願発明に係る機構に対し、常に、MO<COとなるようなあやつり操作を施すものとされているが、本願明細書に記載されている機構によって、上記あやつり操作を具体的にどのように実現するのかについては不明である。

したがって、本願発明において、MO<COとなるようなあやつり操作により、常に、(S)×MO<(S)×COの不等式<4>が成立するとすることについては、合理的な説得力に欠ける。

(2)  本願明細書21頁13行ないし23頁17行の記載(請求の原因4(2)ク)及び同30頁12行ないし33頁4行における「作動の阻害要因の根拠には、…(略)…重大なパラドックスなのである。」の記載について

ア 本願明細書における上記の記載によっても、前記の(S)×MO<(S)×COの不等式<4>が、なぜ、別紙図面(1)第8図(1)における太線の軌跡49を描くのかは明らかではなく、また、そのことは、本願明細書全体からみても明確に開示されておらず、軌跡49を描くに至る過程を含め、不明である。

したがって、原告が、本願明細書に、太線の形を「おもだか」の葉の形に見立てて、「おもだか軌跡」と呼ぶこととすると記載したところで、審決に記載したとおり、「おもだか軌跡」とは何か不明である。

イ また、本願明細書の上記記載(請求の原因4(2)ク)においては、等式<3>の釣合い状態と不等式<4>の不釣合い状態との連繋関係に関し、「おもだか軌跡」について、三つの同心円(別紙図面(1)第8図(1)における、半径Re、Rm、Riの各円)の間に嵌め込まれた図形として、三つの特徴点が列挙されているが、これらの特徴点については、肝心な点が理論的に説明されておらず、原告の「おもだか軌跡」についての主張は何ら明細書の記載に裏付けられていない。

ウ 別紙図面(1)第8図(1)における重錘とその対応点の軌跡を示す線図について、重錘C、F、J、Mに作用する力のモーメントの関係を図示するならば、別紙図面(2)のとおりとなる。

同図面から、

OC×W sinA+OF×W cosA

-OJ×W sinA-OM×W cosA

=W sinA(OC-OJ)+W cosA(OF-OM)

の関係式が導かれる。

そこで、常に、OC>OJ、OF>OMであるとすれば、上記関係式のみから考える限り、上記関係式は常に正となるから、本願明細書記載の不等式<4>は成立することになる。

しかしながら、実際問題としては、Ⅲ、Ⅳの状態にある重錘をⅠ、Ⅱの状態にするためには、所定のエネルギーを他から供給しなければならず、本願明細書に記載された、「この場合注目している作動の兆候はすべて重力に依存しているのだが、…(略)…重大なパラドックスなのである。」(本願明細書32頁1行ないし33頁4行)との点は、実際上は起こりえないものである。なぜならば、ⅠないしⅣの回転面が鉛直面であるとすると、重力に抗して重錘を移動しなければならないからである。

(3)  以上の点を含めて、審決の認定、判断に誤りはなく、原告の主張は理由がない。

第4  証拠

証拠関係は、本件記録中の書証目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

第1  請求の原因1ないし3の各事実(特許庁における手続の経緯、本願発明の特許請求の範囲、審決の理由の要点)については、当事者間に争いがない。

第2  取消事由について

1  弁論の全趣旨により成立が認められる乙第2号証(平成6年4月1日付け手続補正書)及び乙第3号証(本願発明についての特許願書及び願書添付の明細書、図面。以下、手続補正書と合わせて「本願明細書」という。)によると、本願明細書においては、本願発明の「産業上の利用分野」、「従来の技術」及び「発明の目的」について、次のとおり記載されていることが認められる。

(1)「(産業上の利用分野)

本発明の連動機構は学術研究のための、例えば高校の実習用可動構造体、科学博物館の実演用展示品などを製作販売しようとするものである。」(特許願書添付の明細書1頁12行、手続補正書2頁3行ないし6行)

(2)「(従来の技術)

一般の機械において重錘なるものは、一体不可分の重量をもって昇降を繰りかえすものである。(略)従来、物体の重量はそれを支配する重力というものの本質上、増減や部分的消失などを生じ得ないもの、として扱われていたわけである。」(本願明細書1頁16行ないし2頁4行)

(3)「(発明の目的)

本発明は、一対の重錘の重量を2対に分解して、その1対の釣り合い状態と他の1対の不釣り合い状態とを、並行して保たせていく連動機構の発見にかかわっている。あたかも重錘重量の部分的消失を生じさせるかのような、この機構としての可能性が、実際に作動を発現させる機械としての可能性に、直ちに結びつかないのはなぜか、ひとつ徹底的に追及してみようとする、これが本発明の理念的な目的である。そしてその追求のための供試体を多くの人に頒布しようとするのが、本発明の産業的な目的なのである。」(同2頁5行ないし16行)

2  上記記載に係る「発明の目的」によれば、本願発明は、「一対の重錘の重量を2対に分解して、その1対の釣り合い状態と他の1対の不釣り合い状態とを、並行して保たせていく連動機構の発見にかかわっている。」として、本願発明が、上記のような連動機構を原告が発見したことによるものであることを示した上、「あたかも重錘重量の部分的消失を生じさせるかのような、この機構としての可能性が、実際に作動を発現させる機械としての可能性に、直ちに結びつかないのはなぜか」として、上記発見に係る連動機構としての可能性が、実際には、それを実現するための機械の完成に直ちに結び付かないことをあげて、その原因を追求するための供試体を提供することを目的としているものと解される。

そうすると、本願発明がその目的を達成するためには、本願発明の特許請求の範囲に記載された構成が、1対の重錘の重量を2対(2方向の分力)に分解して、その1対(1方向の分力)の釣合い状態と他の1対(他方向の分力)の不釣合い状態とを並行して保たせていくという、上記連動機構を十分に開示したものでなければならないことは明らかである。

3  そこで、本願発明の構成について検討するに、本願発明の特許請求の範囲の記載によると、本願発明は、水平軸をもって回転している車輪の、直交十字形をなす4本のアーム上に、重錘を1個ずつ載せるというものであるが、その重錘の重量を、車輪のアームに平行な方向の分力と、車輪のアームに直角な方向の分力とに分解して考察した際、左右のアームに平行な分力同士においては常に釣合いを保ち、アームに直角な分力同士においては常に右側が優勢という不釣合いな状態を保たせることによって、車輪の回転力を生み出す構成とされているものと解される。

4  そして、前出乙第3号証によると、本願明細書においては、本願発明の実施例について、「1つの鉛直面にあって回転している車輪の、直交十字形をなす4本のアームの上に、重量の等しい重錘が1個づつのせられている。」(3頁12行ないし14行)と記載されているほか、請求の原因4(2)カ(左右のアームに平行な分力同士の釣合い状態を示す等式<3>の成立)、同キ(アームに直角な分力同士において右側が優勢な不釣合い状態を示す不等式<4>の成立)のとおり記載されていることが認められる。

5  上記記載によれば、本願発明に係る右回りと左回りの力のモーメントにおいては、右辺が左辺よりも常に優勢であることが示されており、その理由としては、左右の動径の間に、終始、MO<COとなるような「あやつり操作」が施されていること、また、その「あやつり操作」は、等式<3>の釣合い状態と、[おもだか軌跡」とにより成立するものであるとされている。

そうすると、本願発明の連動機構において、車輪の両側のうち一方が常に優勢である不釣合い状態を保たせ、それにより連動機構の回転力を生じさせるためには、仮に等式<3>が成立することを前提にしたとしても、「おもだか軌跡」なるものも合わせて成立することを要するものというべきことになるから、本願明細書においては、「おもだか軌跡」について、当業者が容易に理解し実施しえる程度に開示されている必要があるものというべきことになる。

6  そこで、以下、本願明細書における「おもだか軌跡」の記載について検討するに、

(1)  前出乙第3号証によると、本願明細書においては、本願発明の実施例に係る「おもだか軌跡」の内容について、請求の原因4(2)クのとおり記載され、更に、「おもだか軌跡」の作用として、次のとおり記載されていることが認められる。

「第8図(1)の重錘車輪の右まわり回転では、先ず右上象限において重錘車輪の中心Oの真上、中円周Rm上のB点を通りすぎた重錘は、次第に動径rを伸ばしながら、回転角A=45度の位置において、外円周Re上のD点に達し、続いて次第に動径rを縮めながら、回転角A=90度の位置において、中円周Rm上のE点に達する。

次に右下象限において、中心Oの真右のE点を通りすぎた重錘は、次第に動径rを伸ばしながら、回転角A=45度の位置において外円周Re上のG点に達し、続いて次第に動径rを縮めながら、回転角A=90度の位置において、中円周Rm上のⅠ点に達する。

次に左下象限において、中心Oの真下のⅠ点を通りすぎた重錘は、次第に動径rを縮めながら、回転角A

=45度の位置において内円周Ri上のK点に達し、続いて次第に動径rを伸ばしながら、回転角A=90度の位置において、中円周Rm上のL点に達する。

次に左上象限において、中心Oの真左のL点を通りすぎた重錘は、次第に動径rを縮めながら、回転角A=45度の位置において内円周Ri上のN点に達し、続いて次第に動径rを伸ばしながら、回転角A=90度の位置において、中円周Rm上のB点に達する。

こうして重錘車輪の1回転に伴って、4個の重錘は順次90度の間隔を保ちながら、連れだっておもだか軌跡の上を1回転し、その間個々の重錘は、おもだか軌跡上のどの位置から出発しようとも、1回転して元の位置に戻れば、重力および遠心力に対する、位置エネルギーの得失において、必ずゼロに舞い戻る。従って、おもだか軌跡にはそのジグザグな形そのものに、平坦な円軌道より特別余分の位置エネルギー損失が、付きまとっているわけではない。ただ、軌跡を取り囲む実物構造には、揺動運動の往復折りかえしのつど、有効な慣性を振り捨ててしまうという、慣性損失が必ず付きまとっている。しかしその慣性損失さえも、1回転の間には相殺されてしまうものであることが、おもだか軌跡の第3の特徴(22頁)によって、すでに示唆されていたわけなのである。」(24頁3行ないし26頁3行)

(2)  以上の記載からみるならば、本願発明における「おもだか軌跡」とは、重錘車輪上の重錘の軌跡を示すものであり、重錘車輪の回転に伴う重錘の循環経路であるとともに、動径の伸縮経路であって、別紙図面(1)第8図(1)における、重錘C、F、J、Mが移行する際に描くところの、太線で示す軌跡49を指すものと認められる。

また、この「おもだか軌跡」は、同図に示された3つの同心円の間に嵌め込まれるとともに、次の3つの特徴を示すもの、すなわち、第1に、水平線OHを境として上下対称の形となり、第2に、鉛直中心線OVを境に左右非対称の形となり、第3に、3つの同心円のうち、中円周Rmから内向けと外向けの動径の伸縮が、鉛直中心線OVを中心として、左右対称の形となっているものであることが認められる。

そして、上記第2、第3の特徴によって、不等式<4>の成立が、右上象限と左上象限との間ばかりでなく、右下象限と左下象限との間においても成立するものとされているところである。

したがって、重錘が、上記のとおり、同図に記載された軌跡を描くことが明らかであるならば、その限りにおいて不等式<4>が成立し、重錘車輪において、常に右側が優勢な不釣合いの状態を保つこともありえるものと解すべき余地がないでもない。

(3)  しかしながら、本願明細書及び図面(前出乙第2及び第3号証)においては、その記載内容を子細に検討しても、重錘が、何故上記のような軌跡を描くことになるのかについては、何らの説明もなされておらず、その根拠は不明であるといわざるをえない。

すなわち、

ア 重錘が、別紙図面(1)第8図(1)におけるB、E、I、Lの各点にある場合には、重錘は、左右対称の位置にあって、釣合い状態にあるものと考えられる。そして、重錘が、「おもだか軌跡」に沿って、B点からD点に、E点からG点に、I点からK点に、L点からN点にそれぞれ移動すると、V軸(鉛直軸)の左側と右側とで左右非対称となり、当然に不釣合いの状態となる。

しかしながら、重錘が、上記のように、釣合い状態から不釣合い状態に移動するためには、その動作に必要なエネルギーが外部から与えられなければならないことは、技術上自明の事項である。

イ ところが、本願発明における釣合い状態の重錘に対するエネルギーの付与については、本願明細書(前出乙第3号証)の記載によるならば、「この場合注目している作動の兆候はすべて重力に依存しているのだが」(32頁1行ないし2行)とあるように、外部エネルギーによることなく、すべて重錘の重力に依存しているものであることが認められ、そこには、重錘車輪に対する外部エネルギーの付与を示す記載はない。

ウ なお、本願明細書(前出乙第3号証)の記載によると、本願発明の実施例においては、「揺動規制箱5」が設けられていることが認められるが、同明細書によると、その具体的な作用については、請求の原因4(2)ウのとおり記載されていることが認められ、それによると、「揺動規制箱5」は、揺動を規制するだけのものであり、それ自体は、重錘を載せた車輪に「回転力」を与えるため、外部エネルギーを供給するというものでないことは明らかである。

(4)  そうすると、本願明細書の発明の詳細な説明及び図面の記載を考慮しても、本願発明においては、連動機構の外部からエネルギーの供給を受けることなく、なぜ、連動機構の重錘が「おもだか軌跡」を描くことができるのかについて、合理的な説明がなされているとは認められないものといわざるをえない。

(5)  この点について、原告は、本願発明において、重力に逆らう力を少しも必要としない重錘の昇降運動が成立するはずであり、この地上重力の場では、摩擦その他の抵抗が大きいため、それが成立しないだけであると主張する。

しかしながら、機械が、摩擦その他の抵抗によるエネルギー損失を上回る外部エネルギーの付与なくして、運動を続けることができないことは技術上明らかであり、また、前記のとおり、本願明細書においても、外部からのエネルギーを付与することなく、重錘を「おもだか軌跡」に沿って移行させることについて、合理的な説明がなされていない以上、原告の上記主張は失当というべきである。

(6)  また、弁論の全趣旨により被告主張の写真であることが認められる乙第4号証及び弁論の全趣旨によると、本願発明の実施例に係る連動機構が、原告により試作されたことが窺えるところである。

しかしながら、原告から提出された第2回準備書面(不陳述)中において、「試作した実体構造はどのようになだめすかしてみても、少しも能動力を示さないもの、外から回転力を与えられている車輪の上でならそうなる、というだけの代物でしかなかった」(9頁4行ないし8行)と記載されていることからみるならば、たとえ、上記のとおり、本願発明の試作品が製作されたとしても、そのことにより、本願発明を実施することの可能性が実証されたものと認めることはできない。

7  以上によれば、本願明細書及び図面においては、1対の重錘の重量を2対(2方向の分力)に分解して、その1対(1方向の分力)の釣合い状態と他の1対(他方向の分力)の不釣合い状態とを並行して保たせていくという、本願発明の目的を達成するための技術的手段について、合理的な説明を欠いているものというべきである。

したがって、本願発明においては、本願明細書及び図面の記載から、「作動を発現させる機械としての可能性」を追求する「供試体」を提供するとの目的を達成することはできないものと解さざるをえない。

そうすると、本願明細書及び図面には、当業者が容易に実施できる程度に発明が開示されているものとは認められないとした審決の判断には、誤りはないものというべきことになる。

第3  以上によれば、審決には原告主張の違法はなく、その取消しを求める原告の本訴請求は理由がないものというべきであるから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条、民事訴訟法89条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 竹田稔 裁判官 春日民雄 裁判官 持本健司)

別紙図面(1)

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

図面の簡単な説明

第1図(1)~(3)は本発明の連動機構の概略的描像である。

第2図は、全体の組み立て図である。

1 重錘車輪

2 天秤球体

3 E字形支柱

4 球体外囲い

5 揺動規制箱

6 台板と枠組み

第3図は、重錘車輪の主要部分である重錘の1個と、アームの1本を示す明細図である。

7 1の水平軸

8 1のボス

9 1のアーム

10 重錘

11 1の内側プーリ

12 1の外側プーリ

13 10の内側吊りひも

14 10の外側吊りひも

15 10の元うで

16 10の先うで

17 15の肩関節ピボット

18 16の肘関節ピボット

第4図は、球体外囲いを示す斜視図およびその補足図である。

19 4のボス

20 4のスリット軌条

21 4の左側プーリ

22 4の右側プーリ

23 滑り弓

24 ミネアチュアベアリング

第5図と第6図は、重錘車輪と天秤球体の連結関係を示す正面図と平面図、およびその補足図である。

O 1の中心点

O’ 2の中心点

OV1の鉛直中心線

O’V’2の鉛直中心線

25 2のボス

26 2のアーム

27 2の球面板

28 2の外周

29 3の揺動軸(上、下)

30 3の水平軸(2の回転軸兼2の揺動うで)

31 伝動チェーン(32への)

32 5の前軸

33 5の後軸

34 伝動チェーン(33からの)

35 2の正中大円

36 2の揺動大円

37 2の水平大円

38 2の鉛直大円

39 23の左端

40 23の右端

41 円弧カム上片

42 円弧カム下片 上片と下片の上下関係は38を境として交替する。

43 41(または42)の左端

44 42(または42)の右端

45 交叉弓づる第1片

46 交叉弓づる第2片

47 45と46の交叉点(この点は常に35の上にある。この点はまた45、46それぞれの曲線部と直線部の境目でもあり、23と41(または42)との接点でもある。)

第7図は、重錘車輪と天秤球体との連結機能を模式的に示すリンク機構図と、重錘車輪上の重錘の力関係を示すベクトル図である。

H Oを通ってOO'に直角な水平線

H' O'を通ってOO'に直角な水平線

A 重錘の回転角(Oを中心として各象限ごとに測る)

C 重錘の現在位置(右上象限)角VOC=角A

M 重錘の現在位置(左上象限)角HOM=角A

W 重錘の重量

CRWの半径方向分力(右上象限)

CCWの円周方向分力(右上象限)

MRWの半径方向分力(左上象限)

MCWの円周方向分力(左上象限)

R 重錘車輪の半径=天秤球体の半径

C'Cをのせたアームの端角VOC'=角A

M'Mをのせたアームの端角HOM'=角A

C"C'において重錘車輪面に立てた垂線と35との交点

M"M'において重錘車輪面に立てた垂線と35との交点

C"X C"からO'V'への水平距離(=R sinA)

M"Y M"からO'V'への水平距離(=R cosA)

第8図は、重錘車輪上の重錘とその対応点の軌跡を示す線図である。

48 36上の定点の軌跡(47からの振れ幅の推移)

49 10(の重心)の軌跡(おもだか軌跡)

B おもだか軌跡上の1点Oの垂直上方

C おもだか軌跡上の1点 右上象限上現在位置

D おもだか軌跡上の1点 〃 角A=45度

E おもだか軌跡上の1点 Oの水平右方

F おもだか軌跡上の1点 右下象限上現在位置

G おもだか軌跡上の1点 〃 角A=45度Iおもだか軌跡上の1点 Oの垂直下方

J おもだか軌跡上の1点 左下象限上現在位置

K おもだか軌跡上の1点 〃 角A=45度

L おもだか軌跡上の1点 Oの水平左方

M おもだか軌跡上の1点 左上象限上現在位置

N おもだか軌跡上の1点 〃 角A=45度

E'9の外端 Oの水平右方

r 10の動径の大きさ

Re 重錘軌跡の外円周

Rm 重錘軌跡の中円周

Ri 重錘軌跡の内円周 半径Re-Rm=Rm-Ri

別紙図面(2)

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例